団地の横に表記されている数字に興味を持ったのは、年少のころでした。
「1みっけー」「ここは4だ!」
数字を見つけた瞬間の、あのうれしそうな表情はいまでもよく覚えています。
それからは、車のナンバー、電柱に貼られた番地、街中にある数字を見つけては、
「これも数字だよ!」とウキウキした声で教えてくれるようになりました。
数字に少しずつ慣れてきたころ、かけっこでは
「1いだよ!」「つぎは2い!」
と、1〜5位の順番も自然と理解できるように。
こうして振り返ってみると、数字は「教えた」というより、
生活の中で何度も出会って、少しずつ身近になっていったように感じます。
そんな「数字はわかるけれど、説明するのはまだむずかしい」時期に出会ったのが、カードゲーム ito でした。
カードゲームitoってどんなゲーム?|幼児と遊べる協力型
ito は、1〜100までの数字が書かれたカードを使って遊ぶカードゲームです。
完全協力型の「クモノイト」と、協力と裏切りのある「アカイイト」の2種類がありますが、
こどもと一緒に遊ぶなら、協力型の「クモノイト」がおすすめです。
「クモノイト」は、それぞれが自分だけに配られた数字を見て、数字そのものは言わずに、言葉で表現しながら小さい順に並べていくという、とてもシンプルなルール。
たとえば
「この数字は“学校の校庭”くらい」
「これは“運動会の最後のリレー”みたいな感じ」
といったように、数字を感覚に置き換えて伝えるのが特徴です。
我が家では、いきなり1〜100ではなく、
1〜10のカードだけを使って遊びました。
テーマカードに沿って数の大きさをたとえるのですが、
最初は
「いきものの大きさ」「学校にあるものの大きさ」「重そうなもの」
など、数量のイメージがしやすいテーマがおすすめです。
慣れてきたら
「うれしいこと」「キャラクターの人気」「いわれてうれしい言葉」
といった感覚的なテーマにも挑戦。
「これは人によって違いそうだね」
「じゃあ、どのくらいかな?」
と、それぞれの物差しを考えながら進めることで、
数字の大小を比べて考える時間が自然と生まれました。
勝ち負けよりも、
「5が真ん中くらいだから、△△はこのへん?」
「●●ちゃんはうさぎが大好きそうだから、こっちは小さめかな?」
と会話が広がり、お互いの考え方や感じ方を共有できるところが、このゲームの大きな魅力だと感じています。
我が家の遊び方|段階を分けた楽しみ方
我が家では、最初から「1〜100」で遊ぶことはせず、
数字を少しずつ広げながら段階的に遊びました。
最初のプレーは3人で、カードも「1」「2」「3」だけ。
ルールを理解することを目的に、
「小さい順に並べるってどういうこと?」を一緒に確認しました。
この段階では、
・数字を比べる
・順番を考える
という基本だけに集中できたのがよかったです。
慣れてきたら、家族全員で「1〜5」のカードを使ってプレー。
年中の子は、親が後ろから一緒に例えを考える形で参加しました。
「これは小さい感じかな?」
「それなら、こんな言い方どう?」
と声をかけることで、
数字と感覚を結びつける時間になりました。
「1〜5」でスムーズに並べられるようになってから、
「1〜10」に広げると、ぐっとゲーム性が高まります。
「どっちが大きいかな?」
「さっきより難しいね」
と迷う場面が増え、考える楽しさがはっきり出てきました。
今は「1〜10」で遊んでいますが、
もう少し慣れたら、次は「1〜20」まで広げてみようかなと思っています。
数の大小を「感覚」でつかめる理由|幼児期の数あそびとして
itoを遊んでいて一番感じたのは、このゲームでは数字を覚えさせようとしなくても、数の大小を考える時間が自然と生まれるということです。
カードに書かれているのは数字ですが、プレーヤーが実際にやっているのは、「この数字はどのくらいの大きさだろう?」と、数字を感覚に置きかえて考えること。
「小さい」「大きい」と答えを出すのではなく、
「これは静かな感じ」
「こっちはかなりにぎやか」
と比べていくことで、数字同士の距離感が少しずつ見えてきます。
特に1〜10のような小さな範囲では、
「5はだいたい真ん中」
「1に近いか、10に近いか」
といった考えが、ごく自然に出てきました。
これは、正解を当てる練習ではなく、
数を比べる経験を重ねているからだと感じています。
こうした力は、幼児教育では「数の概念」と呼ばれ、
数の理解の土台になる大切な力だとされています。
また、例え方は人それぞれなので、
「同じ数字でも、こんな感じ方があるんだ」
と知ることができるのも、このゲームならではの面白さです。
数字をただ覚えるのではなく、
「どのくらいか」「どちらが大きいか」を感じながら考える。
数字をただ並べるのではなく、言葉にし、比べ、すり合わせる。
その繰り返しが、数の大小を“感覚”として理解する土台になっていくように思いました。
まとめ
itoは、数に興味を持ち始めた幼児にとって、
「数字っておもしろい」と感じるきっかけになるカードゲームでした。
数を覚えさせようとしなくても、
「どのくらいかな?」「こっちの方が大きいかも?」と、
自然に数の大小を考える時間が生まれます。
また、同じ数字でも例え方や感じ方は人それぞれ。
遊びながら
「そんなふうに考えるんだね」
「○○ちゃんはそう感じたんだ」
と、お互いの考えや感覚の物差しを知ることができます。
正解をそろえることよりも、
考えを言葉にし、すり合わせる時間そのものが楽しい。
そんなやりとりを重ねることで、
家族の会話が少し増えて、距離も自然と近づいていくように感じました。
数あそびの入り口として、
そして家族で同じ時間を楽しむゲームとして。
itoは、成長に合わせて長く付き合っていけるカードゲームだと思います。
「数を教えなきゃ」と思ったときほど、
こうした“遊びの時間”が、いちばんの近道なのかもしれません。

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